会計事務所というところを、みなさんは、どういう所だと認識していますか?
また、今のお抱えの税理士先生、または会計事務所はどの程度、関わってくれていますか?
・ 決算書や申告書に税理士先生の署名とサインをしてもらうところ
・ 年に何回か、または、毎月、訪れ、細かいことを調べられて、厳しく指導される恐いところ
・ 記帳した帳簿を元に、申告書などの税務書類を作成していくれるところ
・ 領収書や請求書の束をドサッと、預かってもらって、申告を行ってくれるところ
・ 記帳した帳簿が税務上、経理上、適正かどうかチェックをしてくれて、その上で、申告書などの税務書類を作成してくれるところ
・ 記帳した帳簿が税務上、経理上、適正かどうかチェックしてくれて、その上で、期中の試算表を作成してくれ、定期的な業績報告をしてくれて、さらに、申告書などの税務書類のみならず、社会保険や労働保険などのお役所に出す書類も作成してくれるところ
・ 帳簿チェックをしてくれて、期中の試算表だけでなく、店舗ごとや、事業部門ごとの経営資料も作成してくれ、定期的な業績報告はもちろんのこと、事業経営がうまくいくための、いろんな提案やアドバイスをしてくれるところ。
・ 税金の専門家として、税金のことで、いろいろと相談にのってくれるところ
・ 税務はもちろんのこと、事業経営全体のことに対して、適切なアドバイスをくれるところ
・ 事業経営で、大きな決断をしなければいけないときに必ず相談にのってくれるところ
・ 税務調査が入ったときに、納税者の代弁者として弁護してくれるところ
・ 納める税金を決めてもらうところ
・ 公私ともに、何から何までいろいろとお世話にしてくれるところ
みなさんは、上記のどのところで、あうづちを打ち、どのところで、「ぇ、そうななんだ」と意外な感じを受けましたか?
上記の列挙したものは、すべて、税理士・会計事務所の姿です。
これのどれが良いとか悪いとかは、さておいて、みなさんと会計事務所との間の、関わり方で、
税理士・会計事務所に対する認識は様々だと思います。
さて、税理士・会計事務所の職業構造を少し公開したいと思います。
資産税や特殊な税務を専門としている会計事務所は、別として、税理士を筆頭とする会計事務所では、何十、何百もの個人事業所や法人を顧問契約先として抱えております。
それぞれの会計事務所の特徴はありますが、一言でいうと、一人親方の大工さんから、魚屋さん、床屋さんなどの商店、町工場や、病院、そして、地元のあの大きな会社まで、いろんな業種を、帳簿を通して、みてきております。
ここから推測されることは、
「会計事務所は、いろんな業種を帳簿というものを介して、疑似体験しているところ」ということです。
事業所が年々大きくなっていき、立派な企業組織になったり、逆に、廃業倒産、なかには夜逃げ、家族離散、最悪なのは自殺という結末も時には目の当たりしたりします。
だからでしょうか。私たち職業会計人(税理士・会計事務所職員)は、みなさんから
「どうですか?さいきんの景気は?」
「他のお店はどんな感じですか?」
「今、景気のいい業種はなんですか?」
というような、質問をよく受けるものです。
蛇足ですが、
「先生のところで見てるあの会社はどうですか?」
という詮索めいた、ご質問もまれに受けたりしますが、これは言うまでも無くご法度です。
私たちは税理士法という法律の下で従事しておりますので守秘義務があります。
また、本来は税務の専門職として、
「今年の税法の改正のここの部分はどうなっていますか?」
というような、質問をされる立場なのでしょうが、このような質問は、意外にも少ないものです(苦笑)
このように、会計事務所ということろは、いろんな業種、たくさんの事業所の実体験が日々の業務の関わり合いのなかで、集まってくるところなのです。
この職業構造を理解したうえで、ご自身の会計事務所との関わりかたを顧みてはどうでしょうか。
会計事務所というところは、税務だけでなく、中小零細企業の経営全般そして、経営者、事業主の生涯設計にいたるまで、トータル的なサポートができるポジションです。
お付き合いのある、税理士先生、会計事務所がどの分野が得意で、どこまでを営業範囲としているかは様々ですが、このような社会的ポジションにある専門職に対して、「顧問料」や「計算料」、「書類作成料」という報酬を支払って、サポートしてもらっていることと思います。
それが、高いのか安いのかは会計事務所側が定めている場合も往々にしてありますが、みなさんが何気なく定めてしまっていることのほうが実は多いのかもしれません。
この税理士報酬も様々です。
年間数万円~月数十万円という格差がありますが相互の関わり方、関与の深さで変わってきます。
これに対して、対価満足度を常に満たすために、みなさまにお仕えしつづけることは、私たち会計事務所の「義務」であるのと同時に、対価満足度を自ら満たすために今よりももっと私たちとお付き合いを深めていくことは、みなさまがたとっては「権利」なのです。
だから、会計事務所はみなさまにとっては「利用したもの勝ち」なのです。
日々の帳簿のチェックや、毎年訪れる、確定申告、決算申告のための税務書類の作成依頼だけでなく、給料のこと、採用のこと、保険のこと、営業、販売促進、業績分析、資産運用、店舗別・商品別・エリア別管理、商品開発、メニュー開発、新人教育・研修、管理者教育、跡継ぎ問題、コストダウン、イベントやキャンペーン企画、新規事業参入、補助金・助成金、融資、株式公開、上場、設備投資、相続、贈与や、そして、夫婦や親子の問題、娘さん、息子さんの進路相談、はたまた、呑み相手や、ゴルフ、囲碁将棋、釣り相手などなど、までまで、試しに投げかけてみてはどうでしょうか。
税理士先生や会計事務所のスタッフは勤勉な人がほとんどです。
そして、かならず、誠意ある対応をしてくれるはずです。
「やっぱり、相談してみて良かった。」
「こんなことしてくれるなんて、ほんとう助かった」
「ここまでしてくれるとは、とっても心強い」
「へぇ~。意外に多芸なんだぁ!」・・・・ぉ?
「なんだぁ、けっこう砕けたお人柄なんだぁ!」・・・・ぇ?
なんていうことが、たくさんあるかもわかりません(笑)。
最後に繰り返します。
税理士・会計事務所は利用した者勝ちなのですぅ!
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